メンター、処理時間を劇的に短縮するDFM対応の次世代DRCツールを発表>>大規模データのDRCサインオフを2>>3時間で完了

2006年7月10日、メンター・グラフィックスは、90nm以降のプロセステクノロジとDFMに対応する次世代のDRCツール「Calibre nmDRC」のリリースを発表した。

プレスリリース:http://www.mentorg.co.jp/news/2006/060710.html

「Calibre nmDRC」の最大の特徴は、超高速なデータ処理能力で、オペレーションとデータ処理を事前にスケジューリングする「Hyperscalling」という独自機能によって、マルチCPU処理を行うと同時にCPUの稼働率を最大限引き上げる事ができる。これにより、これまで一晩かかるのは当たり前であったDRCチェックを僅か2?3時間というレベルで終わらせる事が可能となる。

メンターによると、既に製品評価を行った会社は計24社にのぼり、発表されたベンチマーク結果によると、GDSデータ10GB以上のデザインでも概ね2時間代で処理を完了しており、中には20GB近いデータを100個のCPUで2時間以内で処理を終えたという例もある。

当然ながら、デザインの中身によって分散処理のパーテショニングのし易さが変わり、使用するCPUの数にもよって処理時間は変化するが、設計データの大きさと処理時間は比例する訳ではなく、例えば32個のCPUで分散処理を行った場合それにかかった処理時間は、8.2GBのデータで約2時間40分、16.6GBのデータで3時間10分というデータもあり、このところ開発現場で浸透しつつある一般的なデュアルコアマシンでもかなりの処理速度を出せるという。

また、その他「Calibre nmDRC」には、デザイン全体のDRCチェックの終了を待つ事無くエラー箇所をデバッグできる「DRV機能」や、エラー修正を行った関連箇所のみのDRCチェックを行う「インクリメンタルDRC機能」といった検証を効率化する新機能が備えられ、ルールファイルを記述量を従来の数分の1程度に減らし、デバッグ効率を上げる「TVF」と呼ばれるSVRFに代わる言語も提供されるほか、歩留まりに対する指標を示す解析機能が統合され、歩留まりを考慮したレイアウトのトレードオフも可能。

更には、データベースに対するダイレクトアクセス機能によって、データベースやレイアウトツールを選ばず利用でき、既存の「Calibre」ユーザであれば、バージョンアップを行うだけでこれまでの環境を変えずにすぐに利用することができる。

これら数々の新機能によって「Calibre nmDRC」は、ランタイム時間だけではなくDRCサイクル全体の大幅なTAT短縮を実現可能で、世界各地で相当な興味を持って注目されているという。

※「Calibre nmDRC」に関する詳細は、メンター・グラフィックス・ジャパン株式会社までお問い合わせ下さい。
http://www.mentorg.co.jp

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2006.07.11 )