【DACレポート】米Sierra、新製品「Olympus-SOC」でリソグラフィ考慮、タイミング収束、ルーティングを一括処理

米Sierra Design Automation社は、発表間もない次世代自動配置配線ツール「Olympus-SOC」を初披露した。

関連プレスリリース:http://www.sierra-da.com/press01.php?id=29(英文)

Sierraの新製品「Olympus-SOC」は、同社の従来製品「Pinnacle」をベースに機能拡張が施されたDFM考慮の自動配置配線ツールで、これまでフィジカル合成、フロアプランなど配線以外の処理に対応していた「Pinnacle」に、リソグラフィを考慮した詳細配線機能を拡張し、サードパーティ製の配線ツールを必要としないNetlistからGDS-IIまでの一括処理を実現している。

「Olympus-SOC」は、これまでOPCシミュレーションを行わなければ解決できなかった、タイミングのずれをリソグラフィの変化を見ながら確認し、タイミングを悪化させる事無くリソグラフィ向けの修正を行うことが可能なほか、メンターの「Calibre LFD」との連携によって、配線後にリソグラフィ・ホット・スポットの修復を行う事も出来る。

また競合他社の製品よりも新しい内部のデータベース構造によって、マルチモード/マルチコーナーの解析もメモリ使用量に過大な負担をかけずに実行でき、タイミング収束に向け5モード/9コーナーの計45のパターンを同時解析したユーザ実例もあるという。

その他、5?10ミリオンクラスの大規模デザイン対応能力は従来通りで、処理時間の向上に貢献するタイミング・クリティカル・ネットの解析機能や、サードパーティツールを介してCMP/メタルの平坦化にも対応する機能も備えているとの事で、他社の「後処理」的なDFMアプローチとは違い、各種最適化処理とルーティングを同時に一括処理することによって、デザインの精度を効果的に引き上げる事ができるとしている。

Sierraはこの「Olympus-SOC」を65nm以降のプロセスを用いたハイエンド設計向けて開発。ワイアレス、グラフィックス、STBなどのアプリケーションをターゲットに今年の年末より一般リリースを開始する予定。ベースとなっている「Pinnacle」は既に日本企業6社を含む大手半導体メーカーのTOP20の殆どが採用しているという。

※Sierra Design Automation社 http://www.sierra-da.com

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2006.08.01 )