松下とルネサス、システムLSIプロセス開発の協業を45nmへ拡大

2006年8月3日、松下電器産業株式会社と株式会社ルネサス テクノロジは、2005年10月より着手している次世代の45nmシステムLSIプロセスの共同開発について、本格的な生産技術開発の段階に入った事を発表した。

プレスリリース:
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn060803-4/jn060803-4.html(松下電器)

両社は、古くはルネサス社設立前の1998年よりプロセスの共同開発を進めており、2005年には65nmシステムLSIプロセスの開発を完了している。

現在進められている45nm システムLSI用プロセスは、両社の最先端モバイルやデジタル家電用のシステムLSIに適用されるもので、今回、45nmシステムLSI用としては業界初の開口率(NA)が1以上の液浸ArFスキャナーを導入し、フルインテグレーションに着手。本格的な生産技術開発の段階に突入したという。

※液浸ArFスキャナー:
 投影レンズとウェハ間を液体で満たしてレンズ径を大きくして解像度を高める技術
※フルインテグレーション:
 要素モジュール毎の製造ではなく、すべてのウエハプロセスを一貫して製造すること

また、両社の共同開発は、上記リソグラフィー技術以外にも、歪導入高移動度トランジスタやELK(K=2.4)多層配線モジュールの開発など最新技術の導入も合わせて進めており、今後の予定としては、45nmプロセスの開発は2007年度中頃には完了し、2008年度からの量産開始を目指している。

※歪導入高移動度トランジスタ:
 局所的なストレスをトランジスタに導入して電流駆動能力を高める技術
※ELK(K=2.4)多層配線モジュール:
 比誘電率の小さい層間絶縁膜を用いた多層銅配線技術

※両社のプロセス共同開発に関する詳細は、松下電器産業株式会社または株式会社ルネサス テクノロジにお問い合わせ下さい。

松下電器産業株式会社 http://panasonic.co.jp
株式会社ルネサス テクノロジ http://japan.renesas.com

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2006.08.14 )