東芝がシノプシスの「IC Compiler」をベースとしたデザインキット「Orion V1.0」をリリース

2007年5月29日、シノプシスは、東芝が、配置配線ソリューション「IC Compiler」を始めとするシノプシスのインプリメンテーション・ツール・セットをベースにしたデザイン・キット 「Orion V1.0」をリリースしたことを発表した。

プレスリリース:http://www.synopsys.co.jp/pressrelease/2007/20070529.html

東芝は、2006年8月に「IC Compiler」を用いた最初のテープアウトを完了。以来、数多くの130nm/90nmデザイン、そして65nmテスト・デザインを成功裏に進め、最新の例では、携帯向けの高性能・低消費電力メディア・プロセッサの設計を2007年4月に完了している。

東芝のSoCはデジタル・コンシューマー向けが中心で、多電源対応・複数動作モードによって低消費電力化を追求するデザインが多く、「IC Compiler」のコンカレントなマルチ・コーナー、マルチ・モード最適化機能の活用効果は非常に大きい。

また、「IC Compiler」を用いることで、サインオフツール「PrimeTime SI」やRC抽出ツール「Star-RCXT」といったシノプシスの他のテクノロジと緊密な相関性を保ちつつ、高度に自動化された多電源設計最適化フローも活用できるため、東芝は既存の設計環境、社内ニーズをベースとした自然な流れとして、「IC Compiler」の標準採用に至っている。

尚、シノプシスは同5月30日、NECエレクトロニクスによる「IC Compiler」の適用事例も合わせて発表。

NECエレは、「IC Compiler」を用いてハイエンド・コンピュータ・インフラ・マーケットをターゲットとした、ギガヘルツ動作、複数プロセッサ・コア構成の最新型プロセッサの設計をテープアウト。1ゲートあたりの電力浪費を数マイクロワットレベルに抑えつつ、従来比2倍にあたるギガヘルツの動作スピードを実現したという。

プレスリリース:http://www.synopsys.co.jp/pressrelease/2007/20070529-2.html

※「IC Compiler」に関する詳細は、日本シノプシス株式会社にお問い合わせ下さい。
http://www.synopsys.co.jp

※東芝セミコンダクター社
http://www.semicon.toshiba.co.jp

※NECエレクトロニクス株式会社
http://www.necel.com

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2007.06.01 )