OKIネットワークLSI、VMMベースの機能検証サービスの実績を公表>>1年間で15件の検証プロジェクトを完了

2007年10月4日、シノプシスとOKIネットワークLSIは、OKIネットワークLSIが同社の第三者検証サービスでSystemVerilogとシノプシスDiscoveryベリフィケーション・プラットフォームを採用。最初の一年で15件の検証プロジェクトを短期間で完了させたことを発表した。

プレスリリース:http://www.okinetlsi.com/topics/2007/nr_1009.html(OKIネット)

発表によるとOKIネットワークLSIは、会社設立当初から提供している機能検証のアウトソーシングサービスの生産性を向上させるためにシノプシスのSystemVerilogソリューションを採用。具体的には、論理シミュレーター「VCS」、検証IP「VCS Verification Library」に加え、シノプシスの提唱するSystemVerilogベースの検証メソドロジ「VMM」を活用する事で検証の効率化を図り、数百万ゲート規模のSoCやFPGA開発プロジェクトなど1年間で計15件の顧客プロジェクトを完了させることに成功した。
※VMM:Verification Methodology Manual for SystemVerilog

発表に寄せられたOKIネットワークLSIデザイン本部長、小堀隆裕氏のコメントによると、採用当初から同社のVMMベースSystemVerilog検証サービスに対する顧客の期待は非常に強く、今では全ての新規の顧客が機能検証にSystemVerilogならびにVMMを採用しているとの事。その要因として小堀氏は、VMMベースのSystemVerilogメソドロジの優れた検証生産性と、初めての企業でも効果を出せる分かり易さを挙げている。

そもそもVMMとは、2005年9月に米国で発売されたARMとシノプシスの検証エンジニアによる検証メソドロジの指南書で、エンジニアのスキルに左右される検証プロセスを分かり易く体系化する事その効率化と品質向上を目指すもの。言うまでも無くそのメソドロジはSystemVerilogという言語によって実現されており、VMMではSystemVerilogの機能を活用した、カバレッジドリブン検証、制約条件付きランダム検証、アサーションベース検証、といった代表的な検証テクニックの他に再利用可能な検証コンポーネントの作成方法なども解説されている。

SystemVerilogベースの検証メソドロジとしては、先日発表されたケイデンスとメンターが協力した「OVM:Open Verification Methodology」が話題となっているが、実績面では2005年から展開されているVMMベースの検証手法の方が当然ながら普及度は高く、既に日本語版に続いて中国版のVMMも出版されている。

ちなみに来週開催予定のシノプシスのイベント「SYNOPSYS USERS MEETING 2007」では、数あるセッションの中でもVMM関連のユーザーセッションが真っ先に「満席」になっており、国内設計者の注目が依然高いことが窺い知れる。

※VMM日本語紹介ページ:
http://www.synopsys.co.jp/vmm-sv_japan/

※株式会社沖ネットワークエルエスアイ
http://www.okinetlsi.com/

※日本シノプシス株式会社
http://www.synopsys.co.jp/

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2007.10.09 )