メンター、業界初の新たな検証技術2種を発表>>マルチ抽象度対応の検証IPと仕様からのテストパターン自動生成

2008年2月18日、メンター・グラフィックスは、業界初となる新しい2種類の検証技術を発表した。

プレスリリース:http://www.mentorg.co.jp/news/2008/080219.html

今回発表されたのは、異なる抽象レベルのデザイン検証に対応する「マルチビュー検証コンポーネント」と、テスト項目から自動的にテストパターンを生成する「インテリジェント・テストベンチ自動化技術」で、いずれも検証における工数削減とカバレッジ向上を目指して開発されたもの。

「マルチビュー検証コンポーネント」は、ESLとRTL設計の間で生じる「不要な検証モデルの作成作業」を無くす、あらゆる抽象度に接続可能な動作の保証された単一の検証モデルで、同検証コンポーネントを利用すれば、例えば、システムレベル検証のためのTLMモデルを作成する手間や、作成したTLMモデルをRTLレベルに落とし込む手間など、検証における抽象レベルの上げ下げに関するストレスを解消できる。

メンターは、検証モデルを特定の専用言語で記述し、それをコンパイルすると様々な抽象度に対応可能な検証モデルを生成できる技術を開発し、その技術によって生成した各種検証コンポーネントを「マルチビュー検証コンポーネント」として売り出す計画で、まずは一般的なバスプロトコルの検証コンポーネントをQuesta専用の検証IPとして今年のQ2に提供を開始する予定だという。

もう一つの「インテリジェント・テストベンチ自動化技術」は、「inFact」という製品名でテストベンチ自動生成ツールとして提供されるもので、テストパターンを作成する手間を軽減すると同時にテストベンチ自体のバグも無くし、更に機能カバレッジの向上を実現するというもの。テスト項目と検証対象の機能仕様をルールとして入力すると、目的とするテスト項目に則した全てのテストパターンを自動生成することが可能。例えばUARTを検証対象とした場合、僅か20行程度のルールを記述するだけで、約160パターンある動作シーケンス全てのテストパターンをツールが自動的に生成してくれる。

尚、「inFact」は、Verilig、SystemVerilog、C、C++、SystemCに対応しており、作成されるテストパターンはメンターの検証環境に限らず他社ツール上でも利用することが可能。製品は既にリリース済ですぐに入手できる。

メンターでは、今回発表した「マルチビュー検証コンポーネント」と「インテリジェント・テストベンチ自動化技術(inFact)」をOVM(Open Verification Methodology)やSystemVerilogと組み合わせる事で、顧客により画期的な検証フローを提供していきたいとしている。

※メンター・グラフィックス・ジャパン株式会社
http://www.mentorg.co.jp

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2008.02.19 )