【DACレポート16】Calypto、クロックゲーティングのプロファイラー「PowerPro-filer」を無償配布!
第45回DACに出展していたCalypto Design Systems社のブースレポート。
Calyptoは、DAC開催前にRTLでの消費電力最適化に関するケイデンスとのインテグレーション・フローを発表。消費電力最適化ツール「PowerPro CG」は、Powerフォーマット「CPF」をサポートしており、パワー制約に関する情報を扱う事ができるが、今回ケイデンスの論理合成ツール「RTL Compiler」とのインタフェースを整え、「PowerPro CG」によって最適化処理を施したRTLを「RTL Compiler」へと渡せるようになった。
また、「PowerPro CG」は、クロックゲーティング可能な箇所を見つけ、自動的に回路を挿入してクロックゲーティングを実現するほかに、既存のクロックゲーティングを「よりゲートする」ように最適化する機能も備えているが、その際に利用するクロックゲーティングのプロファイラーを「PowerPro-filer」という単体ツールとして、無償配布開始。これを利用すればゲートの状態を確認する事ができるという事で、ブースではUSBメモリに入れて訪れる顧客に配布していた。(Web上からダウンロード可能)
シニアAEの山本氏に、リリース後半年を経過した「PowerPro CG」の売れ行きについて尋ねたところ、NVIDIA、IDT、STARCをはじめ複数の顧客が「PowerPro CG」を導入。中にはライセンスを複数購入した顧客もあり、既に数チップでテープアウト実績があるという話で、山本氏は「正直、短期間でこれだけの実績が出るとは思わなかった」とコメント。その理由については、シーケンシャル等価性検証ツール「SLECがあるからこその結果」という事で、「PowerPro CG」と「SLEC」を組み合わせて使えば、RTLの最適化と最適化後のRTLの等価検証をプッシュボタン式で完全に自動処理できると自負していた。
尚、「SLEC」の近況については、日本が中心だった動作合成前後の等価性検証のニーズが北米/EUROでも活発になってきており、少しずつユーザーを増やしているとの事。中にはSTマイクロのように、動作合成前後に限らず、元となるCコードと動作合成向けに修正したCコードの等価性を「SLEC」でチェックするユーザーもあり、日本でもSystemC×SystemCのチェック(配列外アクセスをチェック)を行うユーザーがいるなど、様々な応用例が出てきていると聞いた。
※Calypto Design Systems社
http://www.calypto.com
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2008.06.18
)