Synopsysが設計支援AI「Synopsys.ai™ Copilot」の機能を拡張
2025年9月8日、Synopsysは、設計支援AI「Synopsys.ai™ Copilot」の生成AI機能の拡張を発表した。
「Synopsys.ai™ Copilot」は2023年11月に発表されたSynopsys初の設計支援AIで、今回の機能拡張は初めての大きなバージョンアップとなる。
今回の発表の主なポイントは以下の3点。
・Synopsys.ai Copilotの強化
・Ansys製AIツールのアップデート
・次世代技術「AgentEngineer」
まず「Synopsys.ai™ Copilot」の主要機能であるアシスト機能とクリエイティブ機能が大幅に強化された。具体的には、アシスト機能の強化により文書検索やスクリプト生成が数時間から数分に短縮。Synopsysはこれにより新人エンジニアの立ち上がりを加速できるとしている。またアシスト機能の一つナレッジ・アシスタント機能はSynopsysのクラウド環境ユーザー全てが利用可能だという。
クリエイティブ機能としてはフォーマル・アサーション生成やRTLコード生成などの機能が品質および処理速度の両面で強化された。これによりフォーマル検証のワークフローの生産性を35%向上させ、10日で10個の設計コンポーネントの検証を完了できたという例もあるという。

※画像はSynopsys社Web掲載データ
今年7月に正式に買収が完了したAnsysも最近バーチャル・アシスタント「Ansys Engineering Copilot」をリリース。合わせて生成AIを用いて設計性能を予測する「Ansys SimAI」もアップデートしておりSynopsys同様、Ansysも積極的にAI機能の製品活用を進めている。
そしてもう一つホットな話題が次世代技術「AgentEngineer」。これはSynopsysがMicrosoftの協力を得て開発している自律型エージェント/マルチエージェントによる設計支援機能。今年6月に開催されたDAC2025でそのプロトタイプが公開された。
Synopsysは「AgentEngineer」を進化させ、将来的には自律的な意思決定が可能なレベルへと機能を引き上げるロードマップを描いている。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2025.09.09
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