S2CがArmらと連携して車載MCU向けのハイブリッド・プロトタイピング・ソリューションを開発
2025年2月19日、、FPGAベースのプロトタイピング・システムを手掛けるS2Cは、パートナー企業と車載MCU向けのハイブリッド・プロトタイピング・ソリューションを開発したことを発表した。
今回S2Cが組んだのは、Arm、Xylon、ZC Technologyの3社。開発したハイブリッド・プロトタイピング・ソリューションは、 Arm Cortex-R52+ ベースの車載MCU設計をターゲットとするもので、S2CのFPGAプロトタイピング環境をベースに、クロアチアのIPベンダXylonの提供する高速バスインターフェイス IPと中国ZC Technology の提供するAUTOSAR CP準拠の車載ソフトウェア・プラットフォーム「ZC.MuNiu」および解析ツール「ZC.XuanWu」を組み合わせて構築されている。
ZC Technology の「ZC.MuNiu」はオペレーティング・システム、通信プロトコル・スタック、診断スタック、ネットワーク管理、キャリブレーション・スタック、メモリ管理、各種ドライバーなどを包含するソフトウェア・スイートで、中国自動車メーカーの実車両で利用されている。同環境を用いることで車載MCU設計者は、仮想プロトタイピング環境を用いた先行開発が可能。必要に応じて各種周辺実機を接続したハイブリッド・プロトタイピングも可能となる。
車載システムの先行開発においてFPGAプロトタイピング環境は、開発期間の短縮、実機に近い検証、柔軟な設計変更への対応などのメリットを提供し、ADASや次世代ECU開発において重要な役割を果たしつつある。しかしながら、企業単独でプロトタイピング環境を構築・提供するのは難しいため、今回のS2Cの取り組みのような複数企業による連携ソリューションは現実的な解の一つとして今後も増えていくだろう。
※S2C
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2025.02.21
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