NoC IPのArteris、高性能RISC-V SoCの開発をにらみMIPSやSiFiveと相次いで提携、採用事例も加速
2024年11月12日、インターコネクトIPを手がける米ArterisとプロセッサIPを手がける米MIPSは、高性能RISC-V SoCの実現に向けた両社の提携を発表した。
発表によると、両社は互いのソリューションを組み合わせた事前検証済みのリファレンス・プラットフォームを作成し、互いの顧客に提供。RISC-Vベース・プロセッサを搭載した高性能SoCの開発促進をサポートする。
具体的には、Arterisのキャッシュ・コヒーレントNoC IP「Ncore」および 非コヒーレントNoC IP「FlexNoC」をMIPSのRISC-Vベース・プロセッサ「P8700コア・クラスター」に事前統合し、リファレンス・プラットフォームとして両社の共同ソリューションの相互運用性とパフォーマンスを実証する。具体的なターゲット市場は「P8700」が狙うエッジAI、自動車、データセンターなどで、Arterisの狙い・実績もこれにうまくはまる。
Arterisのインターコネクト技術は、 オンダイ、オンチップ接続、ホモジニアスおよびヘテロジニアス・アーキテクチャをサポートし、AMBA ACEプロトコルと CHIプロトコルを同時に処理することが可能。高性能大規模チップのニーズに合致し、ここのところ高性能SoCにおける採用が加速している。
つい先日はAIチップ・ベンチャーのTenstorrentが「FlexNoC」の採用を発表。 10月にも自動運転向けのSoCを開発するティアフォーが「FlexNoC」とSoC開発環境「Magillem Connectivity」の採用を発表している。 「Magillem Connectivity」は、Arterisが2020年に買収したESLツールを手がけるEDAベンダMagillemの技術資産をベースとしたSoCアセンブリのための環境。導入したティアフォーは、同ツールを用いて多数の検証IPを自動的に接続し、機能安全のための広範な検証環境を効率的に構築したということだ。
なおArterisは、今回のMIPSとの提携と同様にSiFiveともデータセンター向けSoCの開発を狙った提携を発表していて、事前検証済みソリューションの提供を開始している。