チップ設計向けデザインIP市場、2022年は前年比20%伸びて66億7000万ドルに拡大
2023年4月21日、SemiWikiの記事:
調査会社IPnestが今年4月にリリースしたレポートによると、チップ設計に用いる「デザインIP」の市場は2022年に前年比20%増の66億7000万ドルに拡大した。
市場の売り上げランキングでは、上位4社はArm, Synopsys, Cadence, Imagination Technologies, の順で2021年と変わらず。5位には2021年は9位だったAlphawaveがランクイン。同社は2022年に実施したOpenFive社の買収がシェア拡大に大きく貢献した。2022年にPLDA, AnalogX, Hardentと3社を買収したRambusも同じくシェアを拡大し10位となった。TOP10は下記図の通り。
2016年から2022年のTOP3の成長に着目すると、首位ARMは66.5%、2位Synopsysは194%、3位Cadenceは203%の成長を記録し、市場シェアはARM48.1%→41%、Synopsys3.1%→22%、Cadence3.4%→5.4%と変化した。2016年から2022年の市場全体の平均成長率は11.8%だったのに対し、TOP3の平均成長率はARM8.9%、Synopsys19.7%、Cadence20.3%だった。
興味深いのはIPのライセンス販売とロイヤリティ収入の売り上げ統計で、IPのライセンス販売に関してはSynopsysがArmを上回り市場シェア29.6%。シェア4.4%で4位のAlphawaveは、データ中心アプリケーションで必要不可欠な高性能SerDes IPで実績を伸ばしているという。ロイヤリティ収入に関しては、Armがシェア63.8%で圧倒的な首位。スマートフォン業界で実績のあるImagination TechnologiesがSynopsysに次ぐ3位につけている。
IPnestはデザインIP市場の2021年〜2026年の平均成長率を16.7%と予測。2025年には市場規模100億ドルを超えると見通している。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2023.07.07
)