SynopysとJuniper Networksがシリコンフォトニクス・プラットフォームを提供する新会社を設立
2022年4月4日、SynopsysとJuniper Networksは、シリコンフォトニクス・プラットフォームを提供する新会社を合同で設立することを発表した。
発表によると新会社の提供するシリコンフォトニクス・プラットフォームは、レーザー、光増幅器、検出器を含む全てのフォトニック・コンポーネントを集積しておりTower Semiconductorプロセスでフォトニックチップを実現。既にPDKも用意されている。
Juniper Networksは2016年にシリコンフォトニクスのイノベータと呼ばれたAurrion社を1億6500万ドルで買収。Aurrionの技術を手に入れたことで、光トランシーバの全てのフォトニック・コンポーネントを単一のシリコンフォトニクス・プラットフォームに統合することが可能となった。Juniper Networksはこの技術をもとにTower Semiconductorと共同でシリコンフォトニクス・プロセスを開発してきた経緯がある。
SynopsysはJuniper Networksにフォトニックチップを実現するためのEDAツール一式を提供する立場で既に両社は協力関係を築いていた。今回発表された新会社(社名は後日発表される予定)はSynopsysがその株式の過半数を握るようだが、このような形態、立場でSynopsysが新事業に関わるのは珍しい。データセンターや通信ネットワークなど光接続だけでなく、LiDAR、AI、光コンピューティングなど、多くの分野での適用が期待されるシリコンフォトニクスに対して、より直接的な形でビジネスを展開したいという思惑があるのだろうか。新会社の正式発表を含め今後の展開に注目したい。
なおシリコンフォトニクス関連という意味では先日GlobalFoundriesが次世代のシリコンフォトニクス・プラットフォーム「GF Fotonix」を発表している。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2022.04.08
)