業界最速の金融向けAIアクセラレーターを手掛ける韓国の半導体ベンチャー「Rebellions」
2021年12月6日、韓国経済新聞の記事:
2020年9月に設立されたファブレス半導体ベンチャー「Rebellions」は、この11月に同社初の製品となるAIアクセラレーター「Ion」を発表した。
「Ion」はTSMC 7nmプロセスで製造されたチップで金融取引向けにカスタマイズされており、同分野で最速とされているIntelの「Habana Goya」よりも30%高速で消費電力が遥かに低いとのこと。金融取引におけるAI処理を効率的に実行し自動取引の応答時間を数マイクロ秒短縮できるという。
同チップを開発したRebellionsの創業者/CEOのPark Sung-hyun氏は、元モルガンスタンレーのクオンツ開発者で金融工学のエキスパート。CTOのOhJin-wook氏は元IBMワトソン研究所のAIチップ設計者、同社にはARM、Samsung、SK Hynixなどから技術者が集まってきているという。
Rebellionsの「Ion」はモルガン・スタンレーとJPモルガンに間もなく納入される予定で正式な販売は来年から。同社は既にデータセンター向けの次のAIチップ「Atom」の開発をSamsungと共同で進めており、早ければ2023年にSamsung 5nm EUVプロセスで量産を開始する計画となっている。
Rebellionsは、「Ion」リリース前に投資家から30億ウォン(約2,540万ドル)以上を調達。次の製品「Atom」にはAmazonも関心を示しRebellionsにコラボレーションを打診しているという話だ。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2021.12.08
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