CadenceがMicrosoft, TSMCと組んでクラウド上でのタイミング・サインオフを後押し
2021年12月2日、Cadenceはクラウド上でのサインオフ検証に関するTSMCおよびMicrosoftとの協業とその成果を発表した。
発表によるとCadence, TSMC, Microsoftの3社はクラウド環境の活用によるサインオフ検証の高速化に向けて協業。100億超トランジスタの大規模デザインの検証時間を大幅に短縮することに重点を置き取り組みを進めてきた。その結果、従来のスタティック・タイミング解析では数日かかっていた100億超トランジスタ級デザインのタイミング・サインオフを数時間で完了することが可能となった。それを実現するのはMicrosoftのクラウド環境「Azure」と、Cadenceの提供するクラウド環境上のEDAツールを管理するプラットフォーム「Cadence CloudBurst」、そしてCadenceのスタティック・タイミング解析ツール「Tempus」で、TSMCのプロセスを採用した顧客はこれら環境によるTAT短縮、計算機コストの削減といった恩恵に預かることができる。
Cadenceのスタティック・タイミング解析ツール「Tempus」には、分散スタティックタイミング解析 (DSTA) として知られる大規模分散型並列処理機能が備えられている。
膨大な計算機リソースを利用するEDAツールを用いたチップ設計は、ここ数年でクラウドへの以降が本格化しつつあり、ファウンドリ、EDAはベンダ、クラウドベンダが三つ巴となってソリューションの拡充に力を注いでいる。そんな状況もあり、どれだけ高速にEDAツールを走らせることができるか?が、サーバーチップのパフォーマンスの1つの指標になってきていたりする。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2021.12.03
)