AIチップ・スタートアップSambaNovaが業界最多、資金調達Dラウンドで6億7600万ドル調達
2021年4月13日、シリコンバレーのAIチップ・スタートアップSambaNova Systemsは、資金調達Dラウンドで6億7600万ドルを調達したことを発表した。
発表によると今回の投資ラウンドを主導したのはソフトバンク・ビジョンファンド2で、新たな投資家2社も参加。既存投資家のBlackRock、Google Ventures, Intel Capital, Walden Internationalらがこれに続いた。なお、Walden InternationalのチェアマンはCadenceのCEO Lip-Bu Tan氏で、同氏はSambaNova Systemsの会長に就任している。
今回SambaNovaが集めた投資額は6億7600万ドルで、これまでの調達額を合わせると同社の累計調達額は11億3200万ドルとなる。AIチップの世界では、米SambaNova、英Graphcore、中国Enflame Technologyの3社がそれぞれ累計約500億円を調達し資金力争いをリードしていたが、今回のラウンドでSambaNovaが業界ダントツの資金力を誇る会社となった。同社の評価額は50億ドルを超えるという。
SambaNova Systemsは、2017年に現CEOのRodrigo Liang氏とスタンフォード大のKunle Olukotun教授、同じくスタンフォード大のChristopher Ré准教授の3人が立ち上げたベンチャー。CEOのRodrigo Liang氏は元OracleでSPARCプロセッサを開発していたエンジニア、Kunle Olukotun教授は「マルチコアプロセッサの父」として知られている。
SambaNovaは「Dataflow-as-a-Service」と呼ぶサブスクリプション・ベースの拡張可能なAIサービスプラットフォームを提供しており、その中核をなすAIプロセッサが「ReconfigurableDataflowUnit™(RDU)」。同AIプロセッサは独自の機械学習アルゴリズムとソフトウェア定義型の再構成可能なハードウェアを組み合わせたコンピューティング・プラットフォームで、アプリケーションに最適化されたハードウェア構成でAI処理を実行できるとされている。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2021.04.14
)