オンライン併催で登録者数過去最高、Design Solution Forum 2020 フォトレポート
2021年2月12日、パシフィコ横浜アネックスホールにて、組み込みシステム分野のエンジニア向けセミナー・イベント「Design Solution Forum 2020(以下、DSF2020)」が開催された。
今回のDSF2020は昨年予定されていた開催延期に伴い、初のオンライン併催という形で現地会場でのライブ講演が全てオンラインで配信された。
有志のエンジニアが中心となって企画・運営しているDSFらしく、その配信システムは実行委員メンバーが考案・構築。イベント当日はZoomおよびTeamsによって、計53全てのセッションがオンラインで配信された。
あいにくTeamsの障害に重なり、一部のセッションで配信が途切れる事態も発生したが、Zoomによる配信は比較的安定した形で行われた。DSFのホームページでは、同配信システムに関する記事が掲載されている。
※DSF2020の講演配信システム DSF2020公式ホームページ掲載画像
主催者発表では、今回のDSF2020の登録者数は計1,474名で過去最高。COVID-19の影響が大きく、90%以上の登録者がオンライン聴講を選択した。
なおDSF2020では、当日行われた講演動画の一部を期間限定でセミナー登録者に公開している。今からでも登録を行えば、基調講演をはじめとする講演動画を視聴することが可能だ。
セミナーは、DSF2020実行委員長 キャノンの牛田氏による挨拶でスタート。
大会場となったHot Techトラックの会場は演台にグリーンバックが設置され、臨場感ある形で配信映像に講演者の姿が合成された。
人口流れ星のALE社岡島礼奈氏の基調講演は、最も登録数が多かった。2023年に人口流れ星を流す計画ということで期待が高まる。
聴講者の投票により、最優秀講演者賞を獲得したのは、ソニーセミコンダクタソリューションズ(株)の住岡徹次氏。「SoCの設計手法に関する考察」というタイトルの講演だった。
スポンサーによる講演として最も高い評価を獲得したのは、(株)ソシオネクスト 伊賀希一郎氏の講演「SoCの設計会社から見たAIを取り込む画像技術の動向」だった。
なお、講演聴講者による優秀講演者の投票やアンケート、講演の質疑応答は、「Slido」というイベント用のコミュニケーション・アプリが利用された。
講演会場にはスポンサーの展示ブースが多数設置されていた。これらスポンサーの展示内容は、DSFホームページ上のバーチャル展示(34社)でも見ることができる。(3月31日まで)
3年前から始まったスタートアップ企画は今年も継続。AIQ、モルフォ、EDGEMATRIX、トウキョウ アーチザン インテリジェンスといった企業が講演やパネル・ディスカッション、展示に参加していた。
※画像右上は講演するEDGEMATRIX社太田氏
DSFに登壇する講演者様からのおすすめの一冊を紹介する「DSF選書」。今年はオンライン企画として実施された。人気投票で最も票を集めたのは、「UNIXという考え方 その設計思想と哲学」。偶然にも講演者であるソラコム松下享平氏、EDGEMATRIX佐藤剛宣氏の両名が推薦してくれた一冊だった。
パシフィコ横浜の講演会場でライブ講演を行った講演者の方々。
Hot Techトラックの講演者:
左上 PixArt Japan 米本氏、右上 Mentor Graphics 山本氏、左下 産業技術総合研究所 内山氏、右下 Xilinx ルーウィ氏
FPGA Solutionトラックの講演者:
左上 ナノブリッジ・セミコンダクター 杉林氏、右上 Silexica Japan 大嶋氏、左下 ネクストリーム 守田氏、右下 ネクストリーム 池田氏
Internet of AtoZトラックの講演者:
左 京セラコミュニケーションシステム 増田氏、右 CMエンジニアリング 鈴木氏
ハードもソフトもオープンソーストラックの講演者:
左上 名古屋大学 河田氏、上中央 京都マイクロコンピュータ 辻氏、右上 アーム滝原氏、左下 東京工業大学 一色氏、下中央 東京大学 高前田氏、右下 OneSpin Solutions 橘川氏
Rambusトラックの講演者:
左上 ラムバス 星野氏、左下 ラムバス 古川氏、右 サイバートラスト 岸田氏
講演会場の風景は移動撮影車?によってYouTubeでライブ配信されていた。
モデレーターがオンライン参加という形で行われたパネル・ディスカッション。なかなかの盛り上がりを見せていた。
講演の配信を行うDSF2020実行委員の皆さん。ご苦労様でした。
Design Solution Forumは、2021年中にDSF2021を開催する計画としている。