Wave Computingがエッジでの推論とトレーニングの双方に対応する新型64ビットAI IPを発表

2019年4月10日、AIチップを手掛けるベンチャーWave Computingは、AI向けIPの新製品「TritonAI™ 64 platform」を発表した。


発表によると「TritonAI™ 64 platform」は、エッジAI市場をターゲットとしたスケーラブルかつプログラマブルなSoC向けのIPで、推論だけではなくトレーニングにも対応。現在はエッジでのAI推論を8-32ビットの整数ベースでサポートしており、今後エッジトレーニング向けにbfloat 16および32ビットの浮動小数点ベースのサポートを予定している。

Wave Computingによると「TritonAI™ 64 platform」のキーテクノロジーは3つ。

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AIアプリケーション開発のためのソフトウェア・プラットフォームとなるのが「MIPS 64-bit+SIMDエンジン」で、SoC向けのサブシステムとしてMIPS 64ビットCPUを最大6個、それぞれ最大4個のハードウェアスレッドを利用可能。同MIPSサブシステムは、DebianベースのLinux OS上でGoogleのTensorFlowの実行をホストし、推論およびラーニングアプリケーション両方の開発を可能にする。また、Caffe2などの追加のAIフレームワークをMIPSサブシステムに移植したり、ONNX使用して様々なAIネットワークをサポートできる。

CNN向けに用意される「WaveTensor」サブシステムは、4×4または8×8カーネル行列乗算エンジンをスケーラブルに組み合わせる事で主要なCNNアルゴリズムを効率的に実行する事が可能。CNNの実行性能は、標準的な7nmプロセスで最大8TOPS/W、10TOPS/mm2以上を実現するとされている。

Wave Computing独自の特許技術による再構成可能なハードウェア・リソース「WaveFlow」は、柔軟かつスケーラブルであらゆる複雑なAIアルゴリズムに対応可能。「WaveFlow」サブシステムは、MIPSサブシステムのサポートを必要とせずにAIアルゴリズムを実行する事も可能でAIネットワークの同時実行もサポートする。

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2019.04.11 )