Cadenceがレーダー/ライダー、5G通信処理性能を2桁向上可能な新型DSPコア「Tensilica ConnX B20」を発表

2019年2月27日、Cadenceはレーダー/ライダー、通信向けDSPコアの新製品「Tensilica ConnX B20」を発表した。


CadenceのDSPコア「Tensilica ConnX」ファミリは元々は通信向けのDSPとして展開していた製品で、その後需要の高まりを受けレーダー/ライダー向け処理にも対応するDSPとして製品が拡張された経緯がある。

Cadenceによると新製品「Tensilica ConnX B20」は、ISA(命令セットアーキテクチャー)の強化、クロック速度の向上により、市場で普及している前世代製品「Tensilica ConnX BBE32EP DSP」と比較して、通信処理チェーンの各処理を最大30倍、レーダー/ライダーの処理チェーンの各処理を最大10倍高速に処理する事が可能。他のConnX DSPファミリーとソフトウェアの互換性があり、基本スペックは以下の通りとなっている。

 ・512ビットのベクター幅で最大128 MACの処理性能
 ・各サイクル1024ビットのデータをロード可能
 ・16nmプロセスで1.4GHzを超える動作周波数を実現
 ・演算性能
  −ネイティブで複素数に対応する32ビットの固定小数点演算
  −ネイティブで複素数に対応する32ビットの浮動小数点演算(拡張オプション)
  −単精度/半精度のベクター浮動小数点(VFPU)演算

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Tensilica ConnX B20のブロック図(Cadence web上のデータ)

なお、Cadenceは「Tensilica ConnX B20」と合わせて、256ビットのベクター幅で最大64MACの処理性能を備える「Tensilica ConnX B10」も発表している。いずれの製品も2019年Q2に一般リリースされる予定。


= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2019.03.01 )