Synopsysが大型新製品2品種をリリース,「Design Compiler NXT」と「Fusion Compiler」

2018年11月4日、Synopssysは、「Design Compiler NXT」と「Fusion Compiler」2つの新製品を発表した。

「Design Compiler NXT」は、5nm以降のプロセス・ノードを見据えて開発された「Design Compiler Graphical」の後継にあたる論理合成ツールで、ユーザーインタフェースやスクリプトなど「Design Compiler Graphical」と互換性をもつ。新たな最適化エンジンの導入により、実行スピードは2倍に向上。Synopsysはその合成結果の品質が5%向上したとしている。また、「Design Compiler NXT」にはクラウド対応の新たな分散合成処理技術が組み込まれ、更なる処理速度の向上が可能。配置配線ツール「IC Compiler II」とライブラリ、最先端配置テクノロジ、RC 抽出、ネット・トポロジー密度モデリングといったテクノロジを共有しており、最先端プロセス・ノードでも両ツール間の設計結果で緊密な相関性と結果品質を実現できる。

「Fusion Compiler」は、論理合成/配置配線(RTL-to-GDSII)を一括処理する新型製品で、単一の操作環境(シングル・コックピット)でRTL からGDSII にいたるインプリメンテーション・フローを実行可能。Synopsysは、この論理合成と配置配線を融合した「Fusion Compiler」をもちいることで、設計結果品質を20%、開発スピード を2倍に向上できるとする。

Synopsysは今年の春に自社の保有する各種技術を融合させる「Fusion Technology」を打ち出し、「Fusion」をキーワードに様々なソリューションを展開。共通の設計エンジンで論理合成と配置配線を融合する「Design Fusion」は「Fusion Technology」の目玉の一つであったが、それを単体のツール 環境として具現化したものが今回発表の「Fusion Compiler」となる。

Synopsysによると、「Fusion Compiler」はすでに先行ユーザー各社が使用しておりテープアウト実績もある。発表には東芝、Samsung、ソシオネクストらがコメントを寄せており、東芝は「Fusion Compiler」により、面積縮小(10%)、消費電力削減(リーク30%)を実現しつつ設計期間を半分に短縮する事が可能になった製品もあるとしている。

※日本シノプシス合同会社

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2018.11.08 )