デンソーが車載SoC向けにNetSpeed SystemsのインターコネクトIPとキャッシュIPを採用
2017年9月27日、インターコネクトIPを手掛ける米NetSpeed Systemsは、デンソーとのライセンス契約を発表した。
発表によるとデンソーは、先進車載電子プラットフォームのSoC向けにNetSpeedのオンチップネットワークIP「Orion」とキャッシュIP「Pegasus」のライセンスを取得した。同SoCはADAS、オートパイロットなどの全自動運転システムに使用されるという。
NetSpeedはインド出身の女性起業家(元半導体エンジニア)Sundari Mitra氏が設立したIPベンダで、マネジメントチームの大半をインド系の人材が占めている。同社にはIntel,SKhynix, Imagination Technologiesなど大手企業が出資しているほか、CadenceのCEO Lip-Bu Tan氏が役員に名を連ねている。
NetSpeedの主力製品はインターコネクトIP「Orion」でライセンス料とロイヤリティが収入源。「Orion」のライセンス契約者には、コンフィギュラブルなインターコネクトを合成可能なツール環境が提供される。同ツール環境はインターコネクトを含めたチップのアーキテクチャと物理設計を最適化する機能を持つ。NetspeedのWebサイト上の説明によると、「Orion」は毎秒数テラビットのオンチップバンド幅と2GHz以上のクロック周波数を維持する事が可能。また、重要な通信リンクのレイテンシが非常に短くなるように構成することも可能で、SoCに含まれるIPブロック数が増えるほどスケーラブルなパフォーマンスを発揮。様々なベンダーのIPコアを組み合わせて使用できるという。
※画像はNetspeed社Web上の公開データ
NetSpeedの「Orion」は、その外部仕様から次世代のインターコネクトIPと表現できるだろう。デンソーが「Orion」を用いてどのようなSoCを作るのか、今後が非常に楽しみである。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2017.10.05
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