配置配線ツールのATopTech、Synopsysとの係争に敗れ事業清算へ
2017年1月13日、配置配線ツール「Aprisa」を手がけるEDAベンダATopTechは、デラウェア州連邦破産裁判所へ破産保護申請した事を発表した。
ATopTechはSynopsysに著作権侵害で提訴され係争を続けていたが、昨年3月に裁判に敗訴しSynopsysへの賠償金3000万ドルの支払い命令が下り、昨年12月にはカリフォルニア州の米連邦裁判所からATopTechに恒久的な製品差し止め命令が出されていた。
両社の間には複数の裁判が起こされていたようだが、その発端であり敗訴、製品差し止めの直接的な原因となったのは、ATopTechがSynopysのタイミング解析ツールPrimeTimeのコマンドセットをコピーして自社製品に組み込んだという事にあるようだ。
ATopTechは破産裁判所の管理下で事業をオークションで売却する予定。これによりATopTech社のEDAベンダとしての事業活動に終止符が打たれる。
ATopTechの配置配線ツール「Aprisa」は先端プロセス向けツールとして韓国大手などが採用。デザインによっては大手EDAベンダの製品を凌ぐ性能を発揮すると言われ、日本国内にもユーザーが存在していた。配置配線というEDAの中でも本流と呼べる分野において、大手2社に挟まれながらも実績を積み重ねてきた同社であったが、裁判所の判決にあがらう事は出来なかった。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2017.02.13
)