AIプロセッサーの英Graphcoreが身売り検討の危機?
2024年2月18日、英Telegraphが報じた英AIチップベンチャーGraphcoreに関する記事:
データセンター向けのAIプロセッサ「IPU-Processor」を手掛ける英Graphcoreが身売りを検討している。却先候補として名前があがっているのは、Arm、Softbank、OpenAIなど。
同社はBosch, Dell, Samsung, BMW, Microsoftなどから計7億ドル以上の資金を集めていたが、昨年末時点での手元資金は1億5,700万ドル。今年5月までに更なる資金調達が必要な状態にある。社の2022年度の損益は2億ドル以上、売上はわずかに270万ドルだった。
Graphcoreの評価額は2020年時点で28億ドルだったが、直近のある試算では5億2800万ドル。この評価額は売却を期待した投資家が同社株の価値をつり上げた結果のようだ。
Graphcoreの「IPU-Processor」は、GPUの置き換えを実現する高性能低消費電力プロセッサーとして期待を集め、2021年には日本法人も設立されていたが、ビジネスは思うように進んでいないようだ。記事では米国の中国規制による影響が触れられているが、生成AIの飛躍的な普及でデータセンター向けのAIチップ市場がNVIDIA一極となってしまった影響も大きいだろう。