デンソーが車載ネットワーク設計向けに米Mirabirisのシステム・シミュレータ「VisualSim」を導入
2023年4月12日、ESLツールを提供するEDAベンダ米Mirabilis Designは、同社のシステム・シミュレータ「VisualSim Architect」をデンソーが導入したことを発表した。
米Mirabilis Designの「VisualSim Architect」は、システム仕様の検討やアーキテクチャ探索に用いるシステム・シミュレータで、グラフィカルな環境を用いてシステム・モデルを容易に構築することが可能。構築したシステム・モデルをシミュレーションすることで、システム仕様の妥当性やシステムの機能、性能、消費電力などを評価・解析できる。システムを構成する各種コンポーネントモデルはあらかじめ用意されているものの他に自作することも可能。用途に応じてモデルのパラメータや精度を変更することで様々なシミュレーション結果を得ることができる。
※VisualSimで作成したモデル例
この「VisualSim」日本では馴染みの薄いツールだが、その歴史は古く2006年に製品化され、米国国防関連の大手企業に広く使われている実績がある。高度に複雑なシステムの仕様をシミュレーションしながら検討するという用途に重宝されているツールだ。
今回デンソーは、車載ネットワーク開発の効率的に向けて「VisualSim Architect」を導入。複数のシミュレーターを評価した結果、システム・モデルの構築のしやすさとツールの使いやすさから「VisualSim」を選択した。
デンソーのターゲットは車載ネットワーク・アーキテクチャからGateway等のECUの通信処理までを含めたシステムの開発で、通信パケットの遅延時間やパケットロスの見積りなどを行うためのシミュレーション環境を「VisualSim」を用いることで短時間に構築できたという。
なお、このデンソーの事例については、5/24にデンソーとMirabilis Designが共同で開催するウェビナーで紹介される予定となっている。