RambusがArmのセキュリティIP「CryptoCell / CryptoIsland」の提供を開始
2023年3月14日、Rambusは、ArmのセキュリティIP「CryptoCell」および「CryptoIsland」の提供開始を発表した。
発表によるとRambusは、これまでArmが提供していたセキュリティIP製品「CryptoCell」と「CryptoIsland」の2品種をArmに代わってユーザーに提供することに。製品の供給だけではなく継続的な開発もRambusが担っていくということだ。
ArmとRambusの両社は以前からセキュリティIP製品の開発や普及に向けて協力関係を築いてきた経緯があり、その一つのゴールとして今回ArmがセキュリティIPの事業をRambusに移管した格好となる。
なお、既存のArmユーザーは「CryptoCell」と「CryptoIsland」のライセンスをそのまま利用することが可能。今後、両IP製品の新規のユーザーは、Rambusからライセンスを受けることになる。
「CryptoCell」はArmのハードウェアベースのセキュリティ機能「TrustZone™」を補完するセキュリティ・サブシステムで、「Arm Cortex-M™」および「Cortex-A™」搭載のSoCに、プラットフォーム・セキュリティ・サービス(鍵管理、暗号サービス等)を提供するもの。IoTデバイスをターゲットにした「CryptoCell-300」とモバイル, DTV, STBなどをターゲットとした「CryptoCell-700」の2つのファミリーがある。
「CryptoIsland」は「CryptoCell」周りのサブシステム統合したセキュリティ・エンクレーブで、ホストプロセッサから独立して使用することが可能。同製品は以前からArmが開発を示唆していたが、これまで正式な製品リリースはアナウンスされておらず、今回の移管に伴いRambusが製品化に携わったと想像できる。
Rambusは10年ほど前からセキュリティ分野の製品拡充を積極的に進めており、Root of Trustソリューション、DPA(サイドチャネル攻撃)対策ソリューション、IoT向けソリューションなど多彩な製品をラインナップしている。今回Armから受け継いだIP資産はRoot of Trustソリューションの新たなラインナップとしてRambusのセキュリティIP製品群に加わることになる。