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Cadenceが新たなAI最適化技術「Optimality Explorer」をシステム設計領域に投入

2022年6月9日、CadenceはAIを用いた新たなソリューション「Cadence Optimality Intelligent System Explorer」を発表した。

プレスリリース

「Optimality Explorer」は、システム設計領域でのマルチフィジックス解析および最適化を実現するAIベースの新技術で、既存のツールにプラグインして利用することで、システムレベルで改善すべき領域を自動的に識別することが可能。Cadenceによると「Optimality Explorer」は、昨年投入したデジタル設計向けのAI技術「Cerebrus」と同様のAI技術を活用しており、従来の手作業による設計に比べ平均10倍、一部の設計では最大100倍高速に設計の最適化を実現可能で既に画期的な成果を挙げているという。

この新技術「Optimality Explorer」が適用されるのは、3次元電磁界解析ツール「Clarity 3D Solver」と高速シグナル・インテグリティ/パワー・インテグリティ解析ツール「Sigrity X」で、「Optimality Explorer」により設計空間全体の探索が可能となり、最適ではない局所解に陥ることを回避し最適な電気的性能を迅速に決定することが可能になるという。

発表には「Optimality Explorer」の先行ユーザーとして、Ambarella、Baidu、MediaTek、Microsoftがいずれも「Clarity 3D Solver」での成功事例を紹介しているが、Microsoftの事例では回路基板のシミュレーションで「Optimality Explorer」と「Clarity 3D Solver」を利用。他の方法では達成できなかった斬新なデザインとメソドロジーを発見することができたとしている。

CadenceのAI技術は、膨大な選択肢の中から人手は見つけることが困難な最適な解を得ることを目的に開発されており、強化学習によってそれを実現している。今回発表した「Optimality Explorer」は、業界初となるAIを導入したマルチフィジックス・システム解析ソリューションということで、Cadenceのシステムレベル設計ソリューションにおいて強力な武器となりそうだ。

日本ケイデンス・デザイン・システムズ社

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =

(2022/06/15 )

 

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