2021年ワールドワイドの設計IPの売上は前年比19.4%増の54.5億ドルに到達
2022年5月9日、Electronics Weekly.comの記事:
IPnest社が発行した2022年5月のDesign IPレポートによると、2021年世界市場における設計IPの売上高は前年比19.4%増加し54.5億ドルに到達した。
売上げランキング首位のArmは、売上が前年比16.7%増の約22億ドルで市場シェア40.4%
同2位のSynopsysは、売上前年比21.7%増の約10.8億ドルで市場シェア19.7%
同3位のCadenceは、売上前年比5.8%増の約3.2億ドルで市場シェア5.8%
以下、4位Imagination Technologies、5位SST、6位CEVA、7位VeriSilicon、8位Alphawave、9位eMemory Technology、10位Rambusと続く。
市場の平均成長率を上回る大きな成長を見せたSynopsysとAlphawaveは有線ネットワークIP分野の売上が成長を後押しした。
ArmとImagination Technologiesの優れたパフォーマンスは、スマートフォン業界の復活と成長ベクトルとしての自動車の出現を証明している。
2016-2021のIP市場の売上推移を見ると市場全体としては59.3%成長。上位3社はそれぞれ異なる成長を示しており、首位Armは売上が33.7%増加する一方で市場シェアは2016年の48.1%から2021年の40.4%に縮小した。2位のSynopsysは売上を140.9%増やし市場シェアも13.1%から19.7%に拡大した。3位のCadenceは売上が167.2%の成長、市場シェアは3.4%から5.8%に伸ばした。
平均成長率で見ると、2016-2021のIP市場全体は9.8%であるのに対し、Armは6%、Synopsysは19.2%、Cadenceは21.7%となっている。
IP市場の売上をライセンス収入とロイヤリティ収入で見ると、ライセンス収入ではSynopsysが市場シェア31.2%でトップ。2位Armはシェア25.6%、3位Cadenceは7.2%となっている。
Synopsysは、市場規模13億ドルの有線ネットワークIP分野でう55.6%のシェアを握っている。同分野におけるSynopsysは「ワンストップショップ」戦略を進めており、ほぼ全てのプロトコル(USB、PCIe、イーサネット、SATA、HDMI、MIPI、DDRメモリコントローラー)をサポートし、全てのプロトコルで市場シェアをリードしている。
ロイヤリティ収入ではArmがシェア60.8%とダントツの首位。SSTはフラッシュメモリのマイクロコントローラーの恩恵により復活、Imagination Technologiesもスマホに加えて自動車エンターテインメント、スマートTV、タブレットなど様々な分野におけるGPUプロバイダーとして復活を遂げた。
IPnestは設計IP市場の向こう5年間の平均成長率を15%、2026年には市場全体の売上が110億ドルに到達すると予測している。