Siemensの配置配線ツール「Aprisa」、ランタイムとメモリフットプリントを劇的に改善
2021年10月12日、Siemensは配置配線ツール「Aprisa」のバージョンアップを発表した。
発表によると最新バージョン「Aprisa 21.R1」では下記のような大幅な機能強化が施され、前世代製品よりも最大2倍高速に動作することが可能となった。
・平均フルフロー・ランタイムが30%削減、大規模/複雑な設計の場合ランタイムが最大2倍高速に
・配置、配線、クロックツリー合成、タイミング分析など全ての主要エンジンを機能強化
・大規模設計で平均30%、複雑な設計で最大60%メモリフットプリントを削減
Siemensの配置配線ツール「Aprisa」は、Avatar Integrated Systemsが開発したEDAツールでその起源はATopTechにある。Siemensは昨年12月にAvatar社を買収し「Aprisa」を手に入れた。「Aprisa」は先端プロセス設計で一定の評価を得ており、Samsung, Broadcom, Cypress, Mellanox, Xilinxなど複数の大手企業がユーザーとなっていた。ここ最近の顧客状況は定かではないが「Aprisa」はTSMC N6プロセスで認証されており、今回の発表でも「6nm、5nm、4nmプロセスに対応」と紹介されている。Siemensは、「Aprisa」のR&Dチームを2倍以上に増やすなど「Aprisa」への投資を積極的に進めており、Cadence同様、Synopsysの牙城の切り崩しを狙っているようだ。