Cadenceが本格的な3DIC時代の到来に向けた新製品「Integrity 3D-ICプラットフォーム」を発表
2021年10月6日、Cadenceは新製品「Integrity 3D-ICプラットフォーム」を発表した。
「Integrity 3D-ICプラットフォーム」は2.5Dおよび3Dなどマルチダイ・システムの設計と先進的なパッケージングのための統合開発環境で、「3Dデザインプランニング、インプリメンテーション、システム解析を一元化し共通のコックピット上に統合」というのがCadenceが強調する謳い文句となっている。
3Dデザインプランニング機能としては、ダイを単なる箱としてではなくダイのレイアウト(クリティカル・パス)を考慮した上でGUIで視覚的に積層のプランニング行うことが可能。このプランニングの段階でシステムレベルの各種解析が可能な点が3DIC設計統合環境ならではの「Integrity 3D-ICプラットフォーム」の大きな強みだ。
システム解析としては、ダイを重ね合わせた場合の解析、パッケージングを考慮した解析などプランニングされた動作条件に応じた、熱、パワー、タイミングの解析が可能。それら解析は「Integrity 3D-ICプラットフォーム」のデータベースを介してCadenceの各ツール(Voltus, Clarity, Celsius, Tempusなど)が実行する。サードパーティー・ツールとの連携ではなく、熱解析やパワー解析も自前のツールで統合的に対応できる点も強みだとCadenceは強調している。
インプリメンテーション機能としては、先端ノード設計で実績を重ねているデジタル設計環境「Innovus」を軸にアナログ設計環境「Virtuoso」、パッケージ設計環境「Allegro」を用いた協調設計が可能。これらツール間の連携も「Integrity 3D-ICプラットフォーム」のデータベースを介して行われる形となる。
このように新製品「Integrity 3D-ICプラットフォーム」は、Cadenceの最新の主要ツールをまとめあげることで3DIC設計に対応するソリューションで、2Dデザインの3D化や3DデザインのPPA最適化に大きく貢献することが可能。Cadenceが本格的な3DIC時代の到来に向けて放つ目玉ツールの一つと言っても過言ではないだろう。
なお発表には「Integrity 3D-ICプラットフォーム」の先行ユーザー数社がコメントを寄せているが、昨今は先端プロセスに限らず40nmプロセスを使って3DICを開発するような事例もあるなど、製造技術の進化に伴い日本国内においても3DICの開発に取り組む企業が増えているという話だ。