Cadenceが浮動小数点型の演算処理に特化した新型DSP「Tensilica FloatingPoint DSP」を発表
2021年6月18日、Cadenceは新型のDSP「Tensilica FloatingPoint DSP」を発表した。
新製品「Tensilica FloatingPoint DSP」は、その名の通り浮動小数点型の演算処理に特化して設計されたIPコアで、Tensilica FloatingPoint KP1、KP6、KQ7、KQ8と4種類の製品ラインナップがある。KP1およびKP6は低消費電力性能重視、KQ7およびKQ8はパフォーマンス重視のDSPとなる。
Cadenceによると、「Tensilica FloatingPoint DSP」は、既存のTensilica DSPと共通の命令セットアーキテクチャで既存のTensilica DSPがサポートするベクトル浮動小数点ユニット (VFPU) を共有しているため、他のTensilica DSPからの移植が容易であり浮動小数点演算処理を容易にオフロードできる。
「Tensilica FloatingPoint DSP」の4製品がサポートするプラットフォーム、SIMDビット幅、ALU、浮動小数点型は下記図の通り。
Cadenceの説明では「Tensilica FloatingPoint DSP」は、VFPUを備えたTensilicaの固定小数点型DSPと比較して融合積和 (FMA) 演算性能を25%向上。また、同等クラスのVFPUを備えた固定小数点型DSPと比較して、最大で40%のエリア縮小を実現するという。
なお「Tensilica FloatingPoint DSP」のソフトウェア環境としては、最小限の労力でスカラーコードがVFPUを活用するよう自動ベクトル化および最適化を行う機能や、Eigen、NatureDSP、SLAM、数値演算用の各種ソフトウェアライブラリ、既存の浮動小数点共通ソフトウェアスタックから「Tensilica FloatingPoint DSP」への移行や「Tensilica FloatingPoint DSP」ファミリ製品間でのシームレスな移行を可能にする環境が用意される。