DARPAのToolbox
米国の政府機関DARPA(国防高等研究計画局)は、昨年の12月に「DARPA Toolbox」なる取り組みについて発表した。
「DARPA Toolbox」は、DARPAが支援する各種プログラムの研究者のために市販のEDAツールとIPへの低コストのアクセスを提供するためのイニシアチブで、回路設計に伴うコスト的な障壁を取り除き、イノベーション・プロセスへの参加を拡げることを目的としている。
「DARPA Toolbox」の下で最初にDARPAとの商業的パートナーシップを結んだのはArmで、DARPAの研究者は契約期間の3年間、全ての商用Arm製品を利用できるようになった。Armに続いてHDLパーサーで有名なVerificそしてIPベンダのCEVAも同イニシアチブに参画し、3月には組み込み型FPGAのFlexlogixが、そしてつい先日RISC-VベースIPの大手SiFiveも同イニシアチブに加わった。
DARPAプログラムの研究者は無料でIPやツールを使える訳ではないが、「DARPA Toolbox」を介して大幅な割引料金でライセンスにアクセスできる。IPベンダやツールベンダは「DARPA Toolbox」を介して未来の顧客獲得の機会を得ることができるので、Win-Winの構図となる。「DARPA Toolbox」への参画はDARPAの研究者のニーズに裏付けされたものとも言える。