AIチップベンチャーの米Groqが3億ドルを調達
2021年4月14日、元GoogleのTPU開発エンジニアが創業したAIチップベンチャー米Groqは、資金調達Cラウンドで3億ドルを調達したことを発表した。
発表によると3回目となる今回の資金調達は、Tiger GlobalManagementとD1Capitalの2社のリードによって進められた。
Groqの累計調達額は3億6700万ドルで、調達した資金は人材確保と開発中の次世代製品の加速に充てるとしている。ちなみに2020年時点での同社の従業員数は122人。
Groqは既に開発したAIプロセッサ「TSP(Tensor Streaming Processor)」と同プロセッサを搭載したカード、ラックをリリースしており、Nimbixのクラウドサービスでも利用されている。報道されている内容によると金融業界や米国の国立研究所など数社が既に同社の顧客になっているようだ。
Groqの「TSP」は巨大なシングルコアのチップで、大量のSRAMと演算ユニットで構成されるシンプルなアーキテクチャが特徴。このアーキテクチャは同社が提唱する「ソフトウェア・ファースト」という考え方から生まれたもので、独自のプログラミング言語を用いた同社曰く非常に簡単なプログラムでチップを動かす。これによりエネルギー効率を高めレイテンシを削減する事が可能で、Groqは「TSP」を業界最速のシングルコア・チップであると主張する。実際のベンチマーク結果によると「TSP」のレイテンシは主要なGPUの10分の1程度で、プロセッサ分野に詳しい調査会社Linley Groupも「TSP」を最速のディープラーニング・アクセラレータと評していた。(2020年1月時点)
※画像はGroq社Web上のデータ