S2C、10億ゲートデザインにも対応するXilinxの最上級12nm FPGAを搭載したプロトタイピング・システムを投入
2020年10月22日、FPGAベースのプロトタイピング・システムを手掛けるS2Cは、プロトタイピング・システムの新製品「Prodigy S7-19P」の発売を発表した。
新製品「Prodigy S7-19P」は、Xilinxの12nm FPGAで最大容量を誇るUltraScale+ VU19Pを搭載するプロトタイピング・システムで、UltraScale+ VU19Pをシングル、デュアル、クアッドの3種類の構成で利用することができる。
FPGAを4個搭載する「ProdigyS7-19PQ」の場合、ASICゲート数に換算すると最大196Mゲートのデザインに対応、I/0数は5,288個、176個の高速トランシーバ、最大2,400Mbpsで使用可能なオンボードメモリ計128GBを備える。この「Prodigy S7-19P」シリーズの製品は、同社の既存製品同様、複数のボードを接続してデザイン容量をスケーリングできるほか、リモートアクセスによる遠隔地からの利用も可能となっている。
S2Cによると、「Prodigy S7-19P」のリリースと合わせてデザインの実装環境「Player Pro Compileソフトウェア」もバージョンアップ。デザインを複数のFPGAに分割するためのパーテーション・エンジンなどが強化され複数の新機能が追加された。これにより10億ゲート規模のデザインの高速なパーティショニングが可能となったほか、システムパフォーマンスが最大50%向上(強化されたピン多重化マクロの効果)、最大70%の時間節約が可能になるなど、より速くより効率的なプロトタイピング・システムに進化した。
S2Cのプロトタイピング・システムは、包括的なソフトウェア・ツールの充実もうりの一つで以下のようなツールを揃えている。
・Player Proランタイム・ソフトウェア(FPGAボードに付属)
高度なクロック・マネジメント、統合セルフテスト、自動ボード検出、I/O電圧プログラミング、複数のFPGAダウンロード、リモートシステムの監視と管理、など
・Multi-Debug Module
複数のFPGAに対して同時に行えるディープトレースのデバッグ、クロストリガー機能を提供
※再コンパイル不要または限定的な再コンパイルで、新たな信号を選択可能
・ProtoBridge
システムレベルのコモデリングを実現
ホストコンピューターとプロトタイプ化されているSoCデザインをPCIeベースでリンク接続