AIチップのGraphcore、594億トランジスタの新型7nmチップを一発完動-Synopsysの配置配線で
2020年10月12日、SynopsysはAIチップベンチャーGraphcoreによる同社の配置配線ツール「IC Compiler II」の成功事例を発表した。
発表によるとGraphcoreは、Synopsysの配置配線ツール「IC Compiler II」を用いて同社の二世代目となる新型のIPU「Colossus MK2 GC200」を設計しチップの一発完動に成功。7nmプロセスで製造される同AIアクセラレータ・プロセッサは、トランジスタ数594億、1,472個の独立したプロセッサコアと900MB超のオンチップ・メモリを統合しているという。
※IPU:Intelligence Processing Unit
Graphcoreは初代製品の設計からSynopsysのツールを包括的に採用しており、大量のプロセッサコアの複雑な配置配線に対処している。ちなみに初代の「Colossus」は235億トランジスタ。
新型のIPU「Colossus MK2 GC200」は、初代製品同様サーバー向けのAIアクセラレータとしてディープラーニングの学習および推論での利用が想定されており、同プロセッサを4基内蔵するIPUラックは、1PFLOPSの演算性能を発揮するとされている。Graphcoreの説明によると理論上最大64,000のIPUを相互に接続可能で、最大16exaflopsという驚異的な演算能力を実現できるという。
なお、GraphcoreのIPUは単体で販売されることはなく、下記画像のようなサーバー向けのIPUラックという形で提供される。既にMicrosoftと契約しておりAzure上でIPUを利用することが可能だが、新型IPU「Colossus MK2 GC200」のサポート時期については未定。同社は既に投資家から累計4億5000万ドルを集めている。