Secure-ICとNSITEXEが車載プロセッサのセキュリティでコラボレーション
2020年9月2日、組込みシステム向けのセキュリティ・ソリューションを手掛けるSecure-ICとプロセッサIPを手がけるNSITEXEは、両社のコラボレーションについて発表した。
発表によるとSecure-ICとNSITEXEは、両社のセキュリティ技術とプロセッサIPを組み合わせ、Cyber-Physical Systems(CPS)向けのセキュリティ・ソリューションを構築。パートナー契約の下、共同でソリューション提供を行う。
両社が具体的な提供物として明らかにしているのはネットワーク・セキュリティ・サブシステムでその内容は以下の通り。CPS向けと謳いつつも、まず狙うのは車載アプリケーションのセキュリティということのようだ。
<Secure-IC/NSITEXEの提供するCPS向けネットワーク・セキュリティ・サブシステムを構成する技術とサービス>
1. TLS1.3/SSL, Deep Packet Inspection, Chain of Trust, セキュアブート,
セキュア・ファームウェア・アップデート, 暗号化高速技術等
2. Secure-ICのCyberEscortUnitにより拡張されたNSITEXE製RISC-Vプロセッサコア
→"0-day attack"をリアルタイムに防ぐことが可能
3.自動車アプリケーション向け統合型ハードウェア・セキュリティ・モジュール
→V2X, ADAS, ゲートウェイ, パワートレインなどのアプリケーション向けの
鍵管理、暗号化サービスを含む
NSITEXEは、今年1月に同社の開発する「DFP(Data Flow Processor)」の最初製品「DR1000C」を発表。同プロセッサは、RISC-Vベースの商用プロセッサとしては世界で初めてISO 26262 ASIL Dに対応した製品で、車両制御をはじめ各種自動運転機能などをターゲットとしている。今回のSecure-ICとのコラボレーションにより、同プロセッサをセキュリティ・サブシステムとして車載システムに組み込む事が可能となる。
なおNSITEXEはデンソーの子会社として、「DFP(Data Flow Processor)」の展開を車載システム中心に考えているが、その他の分野への展開についても事あるごとに示唆しており、Secure-ICとのコラボレーションは多分野へ拡がっていく可能性がある。