アナログ・コンピューティングを用いた推論チップのMythicが3,000万ドルを追加調達
2019年6月12日、AIチップを手掛けるベンチャーMythicは、資金調達B-1ラウンドで3,000万ドルを調達した事を発表した。
発表によると今回のラウンドをリードしたのは、Valor Equity PartnersというSpaceXにも投資しているシカゴのベンチャー・キャピタルで、Micron、Lam Researchといった半導体関連企業も新たな投資家としてラウンドに参加した。今回のラウンドを含めた同社の累計調達額は8,600万ドルに到達。Softbankも同社に出資している。
Mythicは2012年設立のAIチップ・ベンチャーで、テキサス州オースティンとカリフォルニア州レッドウッドシティーに拠点を置く。開発しているAIチップはデータセンターからエッジまでを狙う推論チップで、フラッシュメモリ・アレイを用いたアナログ・コンピューティングによりニューラルネットワークの行列演算を行うアプローチをとる。具体的には、メモリ素子を調整可能な抵抗として使用、入力は電圧として供給し、出力される電流を計測することで演算結果を得る。アナログ・コンピューティングで処理できないものはSIMD演算器を用いる。このアプローチにより、ニューラルネットワークの重みを記憶するためのメモリが不要となり、非常に高性能、低消費電力かつ高効率な推論処理が可能になる。Mythicは高性能GPU並みの推論パフォーマンスをハイエンドSoC並みの消費電力で実現できるとしている。
※画像はMythic社Web上のデータ
Mythicは、2019年第4四半期中に早期顧客向けの製品出荷を予定している。