Cadenceの新型回路シミュレータ「Spectre X Simulator」は大規模、高精度で処理性能10倍
2019年6月4日、Cadenceは新製品となる大規模並列処理回路シミュレータ「Spectre X Simulator」を発表した。
発表によると「Spectre X Simulator」は同社の回路シミュレータ「Spectre」の後継製品で、処理できる回路規模を5倍に拡張、大規模並列処理によりSpiceレベルの精度を保ったまま10倍高速なシミュレーションを実現する。精度と処理速度のトレードオフは単一のパラメータにより容易にコントロール可能。並列シミュレーションでは、データセンターやクラウド環境上の数百個のCPUを用いた分散処理に対応する。利用にあたっては、各ファウンドリによって認証済の既存のデバイスモデルや、既存のSpectre設計フローをそのまま使用することができる。また、「Spectre AMS Designer」を活用したミックスシグナル検証にも対応する。
※画像はCadence提供のデータ
発表には先行ユーザーのMediaTek, Mellanox, Renesasらがコメントを寄せており、「Spectre X Simulator」の適用結果として、ポストレイアウト検証におけるシミュレーション速度を5-10高速化できたとしている。