Synopsysがニューラルネットワークの処理性能を大幅に向上するARCプロセッサ向けのML推論ライブラリを無償提供
2019年3月21日、Synopsysは、同社のARCプロセッサ向けのembARC マシンラーニング推論(MLI)ソフトウェア・ライブラリの提供開始を発表した。
発表によるとembARC MLIソフトウェア・ライブラリは、ARCプロセッサへの各種ニューラルネットワークの実装を最適化するためのライブラリで無償で提供される。
embARC MLIソフトウェア・ライブラリがサポートするのは、低消費電力プロセッサ「ARC EMxD」および「ARC HS4xD」で、同ライブラリを用いる事で畳み込みニューラル・ネットワーク(CNN)ならびに再帰型ニューラル・ネットワーク(RNN)を使用する低消費電力IoTアプリケーションの実装を最適化できる。
Synopsysは同ライブラリの適用効果として以下を挙げている。
・消費電力とメモリー面積を抑制しつつ、LSTM、プーリング層、正規化線形関数などの活性化関数や各種推論実行手順を効率よく実装可能
・ARC EM9D上で実行するCIFAR-10などのベンチマークは、同クラスの他製品と比べて処理サイクル数を1/4にまで削減
・RNNやLSTMセルといった様々なニューラル・ネットワーク層の性能が3?5倍に向上、2次元畳み込み層の性能は最大16倍に向上
embARC MLIソフトウェア・ライブラリはARCユーザー向けのコミュニティWeb「embARC.org」より入手可能。