Cadenceがニューラルネットワーク対応のオーディオ向けDSP「Tensilica HiFi 5 DSP」を発表
2018年10月31日、CadenceはIPの新製品「Tensilica HiFi 5 DSP」を発表した。
「Tensilica HiFi 5 DSP」は、オーディオ処理向けのDSP IPとして圧倒的な市場シェアを誇る「Tensilica HiFi DSP」シリーズの最新版で、オーディオ処理と合わせてエッジ・デバイスにおけるAIベースの音声認識処理をターゲットとしており、以下の画像の通りニューラルネットワーク用MACの追加など、演算リソースが大幅に増強された。これにより現行製品「HiFi 4 DSP」と比較してオーディオ処理で2倍、ニューラルネットワーク処理で4倍のパフォーマンス向上を実現している。
「Tensilica HiFi 5 DSP」は、128ビットロードが最大2命令まで発行可能な5スロットVLIWアーキテクチャーで、コンフィグレーション・オプションによりプロセッサのカスタマイズが可能。ニューラルネットワーク向けの低精度のビット演算(8, 4, 2, 1bit)をサポートし、ニューラルネットワーク用のライブラリも用意する。同ライブラリは音声認識のニューラルネットワーク処理で一般的に使用される関数を「Tensilica HiFi 5 DSP」向けに最適化したもので、LSTM,GRU,CNNなどのネットワークをサポートし、TensorFlow Liteなど汎用的なマシンラーニング・フレームワークに用意に統合できる。
「Tensilica HiFi 5 DSP」の先行顧客であるAmbiq Microは、低い動作周波数で消費電力を抑えつつも高い性能を発揮できることから、同社のIoT,ウェアラブルデバイス向け超低消費電力マイコンに「Tensilica HiFi 5 DSP」を移植したという。