Cadenceの低消費電力プロセッサ「Tensilica Fusion F1 DSP」のIoTモデム採用事例
2018年7月2日、Cadenceは同社の低消費電力プロセッサ「Tensilica Fusion F1 DSP」がIoT向けのモデムに採用された2つの事例を発表した。
発表された事例はXinyi Information Technology社とRafael Micro社によるもので、いずれもナローバンドを利用するIoT向けのモデムの開発でCadenceの「Fusion F1 DSP」を採用。Xinyi Information Technology社の開発した「Xinyi Marconi X1」モデムは、パワーアンプをシングルダイに統合した業界初のモデムで、「Fusion F1 DSP」を用いることで他のプロセッサ・アーキテクチャーよりもプロトコル・スタックのコードサイズを20%縮小することに成功した。Rafael Micro社は、「Fusion F1 DSP」を用いることで競合プロセッサーよりも消費電力36%減、コードサイズ45%減でモデムを実装できた。いずれの事例においても「Fusion F1 DSP」の採用により、将来のNB-IoT規格に合わせて更新やアップグレードが容易になると共通のメリットがうたわれている。
Cadenceの「Fusion F1 DSP」は音声ウェイクアップなど常時稼働のIoTアプリケーションやウェアラブル・デバイス向けのセンサーフュージョン機能などをターゲットにしたプロセッサで低消費電力でありながら高性能なプロセッシング能力を強みとしている。Cadenceによると、「Fusion F1 DSP」には無線通信に効率の良い命令セットが搭載されており、NB-IoTモデムソリューションに最適なソリューションだという。