AIチップベンチャーWave ComputingがMIPSの買収を正式に発表
2018年6月15日、AIチップを手掛けるシリコンバレーのベンチャーWave Computingは、MIPS Technologiesの買収を発表した。
今回の買収に関する取引条件などは明らかにされていないが、Wave Computingは世界350以上の特許と200のライセンシーを獲得。MIPSは今後Wave ComputingのIPビジネス・ユニットとして機能しMIPS IPソリューションのライセンスを継続する。
Wave Computingは2010年に設立されたAIチップベンチャーでサンタクララを拠点としている。同社は独自のデータフロー技術を用いたディープラーニング・システム「WaveFlow」に基づいた「DPU(Dataflow Computing Unit)」と呼ぶAIチップを開発しており、直近の資金調達第4ラウンド時点でSamsungなどから累計1億1700万ドルの資金調達に成功している。
Wave Computingの「DPU」は一般的なディープラーニング・アクセラレータのようなホストCPU+コプロセッサというアーキテクチャではなくプロセッシング・エレメントを1チップあたり16,000個搭載する単一の巨大なプロセッサアレイの構造をとる。Wave Computingは「DPU」を用いることでデータセンターでの学習からエッジの推論に対応する共通のAIプラットフォームを実現できると主張。今回のMIPSの買収により同社の戦略は加速するとしている。