Synopsys、自社全ての回路シミュレータに新開発の共通の管理/解析環境を標準装備
2016年2月3日、Synopsysは同社の提供する全ての回路シミュレータに共通の管理/解析環境を標準装備した事を発表した。
発表によるとSynopsysは同社の回路シミュレータ「HSPICE®」、「FineSim®」、「CustomSim™」標準機能として搭載する共通の検証環境を新たに開発。各製品の2016.03バージョンから同機能の提供を開始する。
新たに用意された検証環境はGUIベースのシミュレーション管理/解析環境で、SPICE、Verilog、DSPFを直接読み込む事が可能。シミュレーションのセットアップから自動実行、結果解析(モンテカルロ解析)に至る一連のネットリスト・ベースの検証フローをサポートしており、回路シミュレーションのコックピットとして利用できる。
Synopsysはこの新しい検証環境を提供する事で、アナログ検証の工数削減を目指しており、回路シミュレーションの効率化と合わせてシミュレーション結果の抽出と解析を効率化するための複数の機能を検証環境に盛り込んでいる。
?バッチモード・シミュレーションのための先進のジョブ分散/モニタリング機能
?グラフィカル波形ビューワ Custom WaveView™との統合による高度な波形解析
?業界標準のTCLスクリプトによるリグレッション・テストの自動化
?ネットリストベースのナビゲーション、クロス・プロービング、シンタックス・チェックのための、各種言語に応じたテキスト・エディット機能
?チャート出力、統計解析、ヒストグラム、統計分布図などの検証結果ビジュアル化/データマイニング機能
?Web表示のためのHTMLベースのドキュメント化をはじめとする詳細なレポート生成機能
Synopsysの回路シミュレータのユーザーにとっては、これら豊富な機能が標準提供されることにより、あと付けで他社製のアナログ検証環境を組み込む必要が無くなり、アナログ回路の検証スループット向上と合わせてコスト面、ツールの運用面でもメリットを享受できる。
なお、既に先行ユーザーとして「FineSim」に搭載されたこの検証環境を評価利用していたSamsungのSystem LSI Business部門は、既に今後のアナログ設計プロジェクトにおける同検証環境の採用を決めているという。