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Synopsysが既存製品の3倍以上のDSP性能を実現する新ARC EMプロセッサ2品種を発表

2015年9月10日、Synopsysは同社の「ARC EM DSP」ファミリの新製品「ARC EM9D」と「ARC EM11D」の2品種を発表した。

プレスリリース文

「ARC EM DSP」ファミリは、IoT機器など組込みデバイスのDSPアプリケーション向けに開発された超ローパワーDSPコアで、Synopsysは昨年6月に「ARC EM5D」、「ARC EM7D」の2品種を市場投入している。

今回発表した「ARC EM9D」と「ARC EM11D」は既存製品に続く上位製品で、新たな「XYメモリー」のサポートにより、既存のEMコア比で3倍もしくはそれ以上のDSP性能を超ローパワーで実現する。「XYメモリー」は、プロセッサ・パイプラインと密結合されたメモリーで、システム・メモリーへのアクセスを削減し、プロセッシング・スループットを最大化できる。

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※ARC EM9/11Dのブロック図 Synopsys Webサイト上の画像


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※ARC XYmemoryのブロック図 Synopsys Webサイト上の画像


Synopsysのデータによると新しい「ARC EM9D/11D」のパフォーマンスは、最高で1.77 DMIPS/MHzおよび3.41 CoreMark/MHzという値。チップの実装面積は不明だが、28nmプロセスで実装した「EM9D」で4411kHz、128kbpsでMP3データをデコードする際の消費電力は、40マイクロ・ワット以下だという。

またSynopsysはコアそのもののエンハンスと合わせてエコシステムも拡張しており、ARC プロセッサ向けソフトウェアの開発パッケージ「ARC MetaWare Development Toolkit」において「ARC EM9D」と「ARC EM11D」に対応するXYメモリーを活用するためにアルゴリズムを最適化する新機能を追加した。

SynopsysはARMに次ぐ世界2位のIPベンダとして各分野のIP製品展開を積極的に進めているが、ARCコアはその中核をなすIPの一つ。中でもIoT向けの小型ローパワーDSPコアは今後の市場拡大が見込める分野であるため、この分野で強いCadence Tensilicaコアのシェアを切り崩すべく積極的な投資を進めている。

日本シノプシス合同会社

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =

(2015/09/15 )

 

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