Synopsysが業界初となるUSB Type-CをサポートするIPソリューションを発表
2015年7月28日、Synopsysは、業界初となるUSB Type-CをサポートするIPソリューションを発表した。
今回Synopsysが市場に投入した新製品は、「DesignWare USB-C 3.1 PHY」と「DesignWare USB-C 3.0 PHY」の2つの設計IPで、いずれも製品名にある通りUSB Type-Cコネクタ仕様をサポートしている。
Synopsysは昨年10月に業界に先駆けてUSB 3.1コントローラIPと検証IPを同時にリリースしており、今回の新製品の投入でPHY、コントローラ、検証IPとUSB 3.1/3.0の包括的なIPソリューションが整った格好だ。
SynopsysはIPビジネスの大きな柱の一つとしてUSB IPに力を注いでおり、ここのところ14年連続でUSB IP市場のトップシェアを維持。その強さの理由は、競合の追随を許さないスピード感だけでなく、豊富な実績から生まれる品質にもあるようだ。Synopsysによると同社のUSB IPのデザイン成功例は3000以上(USB2.0だけで約2800件)、出荷ユニット数は10億を超えているという。
今回発表した「DesignWare USB-C 3.1 PHY」と「DesignWare USB-C 3.0 PHY」は、それぞれ下記画像資料の通りUSB 3.1&3.0, USB 3.0&2.0をサポートしており、「DesignWare USB-C 3.1 PHY」は10Gbpsもしくは5Gbpsのデータ転送レートを提供。「DesignWare USB-C 3.0 PHY」はUSB 3.0/2.0の全ての転送モードをサポートする。また両製品共に最先端の14/16nm FinFETプロセスをターゲットに捉えている。
その他、「DesignWare USB-C 3.1 PHY/3.0 PHY」の共通の特徴としては、ピンの並びをコネクタに合わせ配線性が向上している点、シングルPHYソリューションとしてピン数を最大40%削減可能な点などが挙げられる。
またSynopsysは今回の「DesignWare USB-C 3.1 PHY/3.0 PHY」のリリースに合わせて、それらを用いたシステムの開発環境として「IP Prototyping Kit」と「Software Development kit」を用意。
「IP Prototyping Kit」は、FPGAベースのHAPSボードをベースとした実機のプロトタイピング・ソリューションで、PHYを搭載したドータ・カードをはじめUSB 3.1/3.0を動かす環境一式がパッケージで提供される。これを利用すれば通常組み上げに3ヶ月は要していたプロトタイピング環境を数日で立ち上げる事ができてしまう。
もう一つの「Software Development kit」は、バーチャル・プロトタイピング・ツール「Virtualizer」をベースとしたソフトウェア開発環境で、USB 3.1/3.0のSystemCモデルをはじめとするソフト開発向けの環境一式がパッケージで提供される。
新製品「DesignWare USB-C 3.1 PHY」と「DesignWare USB-C 3.0 PHY」は、先行リリースされているコントローラIP、検証IPと合わせて既に出荷が開始されている。
※画像は全てSynopsys提供のデータ