SynopsysがARCプロセッサ開発向けのオープン・ソース・プラットフォームを用意
2015年2月26日、Synopsysは、同社のARCプロセッサをベースとしたシステムのソフトウェア開発をターゲットとしたオープン・ソース・プラットフォーム「embARC Open Software Platform」の立ち上げを発表した。
今回発表された「embARC Open Software Platform」は、WebサイトembARC.org、同サイト上に用意されるオープンソースのソフトウェア群、開発ツール、ドキュメント、ユーザー・フォーラムの総称で、ARCベース・システム向けのソフトウェア開発の効率化を目的としてSynopsysが用意した環境となる。
WebサイトembARC.orgは無料で登録可能。登録すればオープンソースのソフトウェア群を無料で一括ダウンロードできる。
提供されるソフトウェアは以下の図の通りで、リアルタイムOSやドライバの他に組込みソフトウェア・スタック、ファイルシステム、プロトコル・スタックなどミドルウェアも提供される。
開発ツールとしては、GNUベースの無償ソフトウェア開発環境「GNU command line tools for ARC Processors」をGitHubからダウンロード可能。embARC.orgからダウンロード先がリンクされている。
また開発環境としては、Xilinx Spartan-6を搭載し、ARC EM4, EM6, EM5D, EM7Dの各コアのFPGAイメージがプリ・インストールされた開発ボード「ARC® EM Starter Kit」も用意されており、同ボードを用いてARC向けソフトウェアを開発する事もできる。同ボードは有償で価格は99ドル。Synopsysが直接オンラインで販売している。
※画像はARC® EM Starter Kitのブロック図
SynopsysはIoTと呼ばれるトレンドをARCプロセッサ拡販の商機と捉え、無償または低コストでユーザーがアクセスできる「embARC Open Software Platform」を用意することで、顧客の新規開拓と囲い込みを狙っている。