メガチップスがセンサーHUB LSI「frizz」のコアにCadenceのXtensaプロセッサを採用
2015年2月10日、Cadenceはファブレス半導体ベンダのメガチップスがセンサーHUB LSIの開発でCadenceのXtensaプロセッサを採用した事を発表した。
メガチップスが開発したセンサーHUB LSI「frizz」は今年のCESでも展示された同社の新製品で、一般的な既存のセンサーHUBチップとは違い、制御処理と合わせて低消費電力で高速なアルゴリズム演算を実行することが可能。そのコアに利用されているのがCadenceのXtensaプロセッサである。
メガチップスは、Xtensaプロセッサをベースに3ウェイVLIW命令、浮動小数点4ウェイSIMD命令を追加して独自のモーション・エンジン「ParaForce」を開発。これ組み込む事で高速演算を超低消費電力で実行できるセンサーHUB LSI「frizz」を実現している。
メガチップスが公開している情報によると、実際に歩行者推定航法(PDR)アプリケーションを使ってセンサーHUB LSI「frizz」をベンチマークした結果、「frizz」はARM Coretx-M4Fベースのコントローラよりも4倍以上高速なパフォーマンス(演算処理速度)を実現。また同じくPDRアプリケーションの実行において「frizz」の消費電力はARM Cortex-M4Fの10分の1以下に抑える事ができたという。
メガチップスによるセンサーHUB LSI「frizz」の実現は、CadenceのXtensaコアの優れたアーキテクチャもさることながら、Tensilicaの公認デザイン・センターとしての同社のこれまでのノウハウも大きかったようだ。
メガチップスの「frizz」は、スマートフォンやIoT、ウェアラブルデバイスをターゲットとした常時接続センサーHUB LSIとして今年1000万個の販売目標を掲げており、各種センサ処理用のソフトウェア・ライブラリや加速度、ジャイロ、地磁気、気圧の計10軸のセンサを搭載した評価用ボードも用意しているという。