AlteraがMentorとのコラボでSoC FPGAのバーチャル・プラットフォームを無償提供
2015年2月17日、Alteraは同社のSoC FPGAのバーチャル・プラットフォームの提供を発表した。
発表によるとAlteraはMentor Graphicsとのコラボレーションにより、Mentorの提供するバーチャル・プロトタイピング環境「Vista」の技術をベースとしたSoC FPGAのバーチャル・プラットフォームを開発。Intelの14nm Tri-Gateプロセスで製造される64ビット・クアッドコア ARM Cortex-A53搭載の「Stratix 10」を含む各種SoC FPGAのバーチャル・プラットフォームの無償提供を開始する。
無償提供されるバーチャル・プラットフォームには、ARMのプロセッサ・コアとそのペリフェラルで構成されるARMプロセッサ・サブシステムの完全な機能シミュレーションモデルがプリ・ビルドされており、同環境を利用すれば各種AlteraのSoC FPGA上で走るソフトウェアの先行開発が可能となる。このAlteraのSoC FPGAのバーチャル・プラットフォームは、無償のバイナリとしてMentorのWebサイト上で提供される予定で実行にあたり「Vista」のライセンスを必要としない。しかし、SoC FPGAのカスタム・ロジック部も含めたバーチャル・プラットフォームを構築しハード/ソフトの相互動作をシミュレーションするとなると、Mentorの提供する「Vista」のライセンスを別途購入する必要がある。
尚、Alteraは以前、SynopsysとSoC FPGAのバーチャル・プラットフォーム「Virtual Target」を共同開発しており、業界初のSoC FPGA向けソフトウェア開発環境として発表していた。同時の「Virtual Target」の中身は旧Virtio社の「Innovator」がベースとなっており価格は数百万円だった。今回発表されたMentorの提供するSoC FPGAのバーチャル・プラットフォームは無償提供されるという事で、ユーザーにとってはバーチャル・プラットフォームを利用する敷居が大きく下がる。
ちなみにAlteraの競合Xilinxは、ARM搭載FPGA「Zynq」のバーチャル・プラットフォームでCadenceとコラボレーションしている。