ARM TechCon 2014、ARMから3つの大きなアナウンス
2014年10月1日からサンタクララで開催されているARMのプライベート・イベント「ARM TechCon 2014」にて今年もARMから幾つかの新たな発表が行われた。
ここでは現時点でARMが公式発表している最新の3つのプレスリリースについて取り上げる。
1.Cortex-Aシリーズプロセッサ向けにOpenCLをサポート
ARMは「OpenCL™ for ARM NEON™ technology」を発表した。プレスリリース文
ARMの「NEON」はCortex-Aシリーズプロセッサ向けに用意されたマルチメディア・フォーマット処理のための拡張SIMDエンジンで、「OpenCL™ for ARM NEON™ technology」によりCortex-AシリーズプロセッサでOpenCLフレームワークが利用可能となる。
「OpenCL™ for ARM NEON™ technology」でOpenCLがサポートされるプロセッサは以下の通り。
?Cortex-A7, Cortex-A9, Cortex-A15, Cortex-A17 (ARMv7)
?Cortex-A53, Cortex-A57 (ARMv8-A, 32-bit execution state)
2.IoT向けの「ARM mbed™ IoT Device Platform」を発表
ARMはIoT製品開発向けの環境として「ARM mbed™ IoT Device Platform」を発表した。プレスリリース文
「ARM mbed™ IoT Device Platform」にはARM Cortex-MベースのMCU向けの無償の「mbed OS」が含まれているほか、有償ライセンスとして「mbed Device Server」が用意される。
「mbed Device Server」は、IoTデバイスとIoT Cloudサービスを繋ぐソフトウェア製品で、IoTデバイスのプロトコルとウェブ・デベロッパーによって使用されるAPIの間のブリッジを提供する。
※mbed OSのアーキテクチャ
※画像はmbedのWebサイト掲載のデータ
3.TSMC 16nm FinFETデザイン向けのフィジカル・インプリメンテーション・ソリューションを発表
ARMはTSMC 16nm FinFETプロセス向けの新たなインプリメント・ソリューション「ARM Artisan® Power Grid Architect」と「ARM Artisan Signoff Architect」を発表した。プレスリリース文
「ARM Artisan® Power Grid Architect」と「ARM Artisan Signoff Architect」はいずれもTSMC 16nm FinFETプロセスをターゲットしたもので、「ARM Artisan® Power Grid Architect」はARMのTSMC 16nm FinFETプロセス向けフィジカルIPをインプリメントする際にFinFETデザイン・ルールに則した最適なパワー・ネットワークを作成可能。PPA改善のためのフロアプランニングを自動化する。「ARM Artisan Signoff Architect」は、既存のIPモデル・フォーマットには無いより正確なSBOCV(stage-based on-chip variation)サインオフ・メソドロジを提供する。
「ARM Artisan Signoff Architect」は今年10月、「ARM Artisan Signoff Architect」は今年Q4にそれぞれβ版がリリースされる予定となっている。