2014年6月1日-5日、カリフォルニア州サンフランシスコで開催された第51回Design Automation Conferenceの展示会レポート。
OneSpin Solutionsのブースでは同社のフォーマル検証ツール群を展示していた。
今回のDACでのOneSpin Solutionsの新たな打ち出しとして目を引いたのは、ここ数年自動車業界でのホットな話題となっている自動車の電気/電子に関する機能安全規格「ISO 26262」に対するソリューション。
「ISO 26262」に対するソリューションとは、OneSpinのフォーマル検証技術を用いて設計した回路が「ISO 26262」に準拠しているかどうかチェックを行うもので、Infineon Technologiesやルネサスエレクトロニクスといった車載マイコンメーカーとのコラボレーションで開発したもの。具体的には等価性検証技術を用いたフェイル・セーフ設計構造の検証やフォルト・インジェクションによって「ISO 26262」の準拠を確認する。
マーケティングVPのDave Kelf氏に聞いたところ、OneSpinのツール自体が「ISO 26262」のツール認証を取得している訳ではないが、フォーマル検証ツールを提供するEDAベンダとして「ISO 26262」に対するソリューションを打ち出したのはOneSpin業界初。プロパティ・チェックとカバレッジ解析の技術を有しているからこそ実現できたとの事。
またDave氏によると、プロパティ・チェックがスタンダードになりつつあり、それに合わせて会社の業績は上々という話で、EDA市場としては厳しい状況とされる日本国内においても顧客が増えているという事だった。クラウド・ベースのFPGA設計プラットフォームを提供する米Plunifyと組んでFPGA向けのソリューションを拡大するなど、フォーマル検証技術をコアに様々な展開を進めているOneSpinだが、今後の計画としては高位合成ツール向けのカバレッジ解析やCDCチェック、Power関連のソリューションも打ち出していく予定と聞いた。