【51DAC】Mentor Verification Academy 時代は「Verification 3.0」に突入
2014年6月1日-5日、カリフォルニア州サンフランシスコで開催された第51回Design Automation Conferenceの展示会レポート。
Mentor Graphicsは今年も自社の展示ブースとは別に「Verification Academy」のブースを設置。同ブースでは日替わりで数々の機能検証関連のプレゼンが行われ多くの聴講者を集めていた。
「Verification Academy」は、Mentor Graphicsが運営する機能検証技術のスキルアップを目的としたエンジニア向けのナレッジサイトで、検証メソドロジUVMを中心に様々な機能検証技術に関するコンテンツを無償で提供している。 ※UVM:Universal Verification Methodology
今回聴講した「A New Era in Functional Verification」というプレゼンは、Mentor GraphicsのChief Verification ScientistであるHarry Foster氏によるもので、ここ最近の検証のトレンドを解説。同氏によると検証作業の増加とともにSystemVerilogを用いたテストベンチ作成がメイン・ストリームとなってきており、それに合わせて検証メソドロジUVMの採用も拡大。「Verification Academy」の登録メンバー数も右肩上がりで伸びており、この1年間で約1.5倍の23000人超になったとの事。近年の傾向としては先端デバイスを中心にSoCに実装される組込みソフトの量が増え、必要とされるソフトウェアエンジニアの人数も急上昇。最先端の16/14nmチップでは90nmチップの約17倍ものソフトウェアエンジニアが必要になるという。
そんな中、ソフトウェア開発の効率化に一役買っているのがエミュレータであり、エミュレータの市場は2010年以降、平均成長率30%近くと急速に拡大。Mentorではニーズの高まりに応じて、エミュレーション・ソリューションの強化を進めており、今年4月にエミュレーション環境「Veloce」と機能検証環境「Questa」を統合した新たな検証ソリューション「Mentor Enterprise Verification Platform(EVP)」を発表している。
Harry Foster氏は、既に検証メソドロジにフォーカスしていた「Verification 2.0」の時代は終わり、これからはシステム視点でハードとソフトの検証にフォーカスする「Verification 3.0」の時代になるとし、そのためには機能検証に要求される様々な要素を包含するエンタープライズ・レベルの検証ソリューションが必要だと語っていた。