ARMがシステムレベルのSoC設計ツールを手掛けるDuolog Technologiesを買収
2014年5月30日、ARMはアイルランドの新興EDAベンダDuolog Technologiesの買収を発表した。
ARMの発表によると、ARMの狙いはDuolog Technologiesの提供するEDAツール「Socrates」を自社のARM開発用ツールに取り込む事で、それによりユーザーの複雑なSoCインテグレーションを助けると同時に、自社の「CoreLink」、「CoreSight」といったのシステムIPの利用が増えると考えているようだ。
「Socrates」はSoCサブシステムのシステムレベルのインテグレーション、機能検証、接続確認を可能とするツール環境で、「Socrates」シリーズの製品として、I/O仕様の策定とファブリック生成を行う「Spinner」、レジスタやメモリマップの管理を行う「Bitwise」、トップレベルのチップ・アセンブリ(結線)を行う「Weaver」の3つの製品を提供している。ARMによるとDuolog Technologiesの「Socrates」は、過去10年でテープアウト100件以上の実績があるとの事。
ARMは自社の成長と合わせて数々の企業買収を行っているが、EDAベンダとしては2011年にプロセッサ検証向けテストベンチ生成の米Obsidianとフィジカル最適化ツールの米Prolificを買収している。最近では2013年にフィンランドのIoT向けソフトウェアのベンダSensinode Oyを買収しているほか、同じく2013年にゲーム向けのグラフィック技術を手掛ける英Geomerics社を買収している。
尚、ARMによるDuolog Technologiesの買収は2014年Q3で完了予定。ARMは買収後「Socrates」のライセンスを持つ顧客のサポートを継続するとしている。